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と・・・その時、ふわりと僕の車が宙に浮いた。
クマだ。
クマは僕の車を軽々と持ち上げて、ジープの後方へ、そっと置いた。
ホッとして・・・僕はシートに寄りかかったまま、少しの間、身動きができなかった。
コンコンと誰かが運転席側の窓を叩く。
見ると、ジープを運転していたらしいサングラスをかけたシュワルツネッガー並みのキン肉マン&茶髪の男が、顎で僕に外に出ろと合図している。
僕は怯え、このままエンジンをかけて走り去ろうかと思った時。
その男の背後でクマがニンマリと笑っているのが見えた。
クマは、ちょんちょんと爪で男の肩をたたいた。
男は振り向いた瞬間!
「ギャァァァァァ―――ッ」
と泣きそうに叫んでジープに乗りこみ、たちまち走り去った。
僕は車から出て、クマに抱きついた。
「ありがとう!持つべきものは友だちだ!」
「俺はいつだって、オマエが国道に出るまで密かに警備しているからな」
「そうなの?」
「ああ。任せろ!大船に乗ったつもりでいろ!」
「大クマに乗ったつもりでいるよ。まるで金太郎だな!」
あははははは・・・
わっはっはっはっは
おしまい
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