僕と君の探しもの

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だが、クマが『助けよう』と言っているのに、ニンゲンの僕が放置するってのは、さすがに気が引ける。 僕はオドオドしながらも、クマが走って向かった青い車の転落現場に車を走らせた。 僕が現場に着くと、クマは車の近くに立って電話していた。 「運転してた男は足が痛いんだとよ。救急車、急いで・・・えっ?正確な位置?だから中山牧場の山の上だって言ってんだろうが!近くにある目印となる建物?んなモンねぇよ。山と森と牧場だけだ。住所?知るか・・・」 よく見ると、クマが使っているのは母さんのピンクの携帯電話だ! 僕が車から下りると、クマは僕に電話を渡し 「オマエ代われ。まったく日本の警察は何を考えてるんだ。こんな山奥に住所もへったくれもあるもんか!」 と、大声で怒鳴った。 僕は状況を説明し、電話を切った。 母さんの派手なピンクの携帯電話だ。 クマが拾っていたなら、いくら探しても見つからないはずだ。 青い車の若い男性は、クマに怯えていた。 「僕は大丈夫ですから。救急車が来てくれるなら、一人でも平気ですから・・・それよりクマが怖い!」 そう言って震えているので、僕はクマに言った。 「彼は大丈夫だと言っている。僕も君も、もう家に帰ろう。」
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