秘書、副業を決意する。

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でもね、院長秘書の私は、奥様に逆らえないの。 「先生、お時間です。 はい、さっさと外来に行く!」 しょんぼりした院長先生はちょっと可哀想だけど、私も健康には気をつけてほしい。 廣澤院長は糖尿病の持病があるにもかかわらず、甘い物が大好きなのだ。 父親の亡くなった今、廣澤院長先生のことは、実の父親のように思っているから……だから、私は奥様とタッグを組むの! 「……ハァ…。行ってきますよー……。」 「あ、白衣忘れてますよ! ピシッとする!」 「はーい……」 朝からテンション下げちゃったかな。 ま、ご機嫌とりに、ヘルシーあんみつを買ってきて冷蔵庫で冷やしてあるんだけど…。会議の終わる時間次第かな。 ◇◇ 私、平田灯里(ひらたあかり)は廣澤総合病院の院長秘書をしている。 現在26歳。 私の父はK大の医学部で教授をしていた。
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