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「俺の愛は重いんだ。」
だから諦めてくれ。
「もう! 動けないでしょう?
あ、じゃあこれ運ぶの手伝って。
ほら、さっさと行く!」
追い出す気だな。
よし。
じゃあ交換条件だ。
「今日、髪洗って?」
「えぇ? また?」
言うこと聞いて欲しいならそれくらい…
「……のぼせちゃうから、ダメ。
絶対、髪洗うだけじゃ済まないもの。」
「うわ、その上目遣い反則…
灯里、可愛い…。」
おっと、心の声が漏れた。
当たり前だろ。
髪を洗ってもらうんだ。
お返しに全身洗ってあげないとな。
俺は礼を尽くす男だ。
いや、その前にこの可愛い唇をいただかないと…………
「……もうっ!
ずっとこんなんじゃ、お祝い出来ないじゃない!
ほら、出来たから食べるよ?」
ご飯なんて後でも……
いや、ここは一旦引こう。
俺は今、駆け引きを学んでいるところだ。
ここでお預けを食らっては大変だ。
素直にダイニングテーブルに移動する。
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