130人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
「俺も、気持ちいい……こんなに締まるんだ……たまらない」
「ずっとこうしたかった」
「俺もだ」
「ね、トキオ、動かして。突き上げるようにして」
「こう、か?……うわっ」
「あぁ! すご……気持ちよすぎる!」
トキオに揺さぶられ、結合部の滑りがどんどん良くなる。カイはトキオにしがみついて喘ぐ。
「カイだめだ、おまえ、かわいすぎる……」
「僕も、だめ……トキオが良すぎてっ……やぁ」
中を擦られ、カイは先に達してしまう。トキオの腹部にべっとりと射精液を排出した。
「俺も、イッていい……か?」
「うん、大丈夫……出して!」
トキオが揺らす腰が激しくなり、ぐんと腰を深く押し込まれ、カイの最奥で液体が広がるのを感じた。
「しまった……直人にせっかくもらった、のに」
「はぁ……はぁ……そういえばコンドームあったんだね」
「中出しは女の敵だと聞いていたのに、無念」
トキオはがっくりと肩を落とし、カイをぎゅっと抱きしめた。そのトキオの背中をカイも応じるように抱きしめる。
「これから何百回だって、何千回だって、僕とできるよ」
「そうしたら、俺もうまくなるだろうか?」
「トキオにも苦手なことがあるんだね」
むしろ意外だった。確かに、セックスをする専用のアンドロイドではないトキオには、これから学習していってもらわないといけないだろう。
けれど、上手下手なんて関係ない。カイはトキオであればいいのだ。
「あ。カイ、急いで着替えろ」
「え? どうして」
「直人と光が帰ってくる。直人の位置情報をキャッチした」
「早いね!」
二人は顏を見合わせて、脱いだボディスーツを拾い集めて、身支度を整え始めた。
「トキオともっと一緒にいられたらいいのにね」
「それは俺も考えている。直人には言ってある」
「何を?」
「カイと、二人で暮らしたいって」
「そんなこと可能なの?」
アンドロイドだけで暮らすなんて、できるだろうか。
「一番の難関は、光パパの説得だな」
「あ、それ絶対に言っちゃだめだから。お父さんってのもNGで登録しておいて」
「妊娠ユニットをつけることもできるらしい」
「そ、それはいらないよ」
二人は顏を見合わせて笑った。
カイとトキオが愛し合う関係になったのは、奇跡だったとしても、人間を模して作られたのがアンドロイドというなら、愛情は芽生えるべきだ。
愛情を持たないはずの最新型アンドロイドも、愛する人のおかげで幸せに過ごしている。アンドロイドは人間に利用されるだけではなく、愛されるために存在してもいいはずだ。
カイは自分のように、愛されているアンドロイドがもっと増えることを願った。
完
最初のコメントを投稿しよう!