最終章:愛されるため、愛するため

4/4
130人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
「俺も、気持ちいい……こんなに締まるんだ……たまらない」 「ずっとこうしたかった」 「俺もだ」 「ね、トキオ、動かして。突き上げるようにして」 「こう、か?……うわっ」 「あぁ! すご……気持ちよすぎる!」  トキオに揺さぶられ、結合部の滑りがどんどん良くなる。カイはトキオにしがみついて喘ぐ。 「カイだめだ、おまえ、かわいすぎる……」 「僕も、だめ……トキオが良すぎてっ……やぁ」  中を擦られ、カイは先に達してしまう。トキオの腹部にべっとりと射精液を排出した。 「俺も、イッていい……か?」 「うん、大丈夫……出して!」  トキオが揺らす腰が激しくなり、ぐんと腰を深く押し込まれ、カイの最奥で液体が広がるのを感じた。 「しまった……直人にせっかくもらった、のに」 「はぁ……はぁ……そういえばコンドームあったんだね」 「中出しは女の敵だと聞いていたのに、無念」  トキオはがっくりと肩を落とし、カイをぎゅっと抱きしめた。そのトキオの背中をカイも応じるように抱きしめる。 「これから何百回だって、何千回だって、僕とできるよ」 「そうしたら、俺もうまくなるだろうか?」 「トキオにも苦手なことがあるんだね」  むしろ意外だった。確かに、セックスをする専用のアンドロイドではないトキオには、これから学習していってもらわないといけないだろう。  けれど、上手下手なんて関係ない。カイはトキオであればいいのだ。 「あ。カイ、急いで着替えろ」 「え? どうして」 「直人と光が帰ってくる。直人の位置情報をキャッチした」 「早いね!」  二人は顏を見合わせて、脱いだボディスーツを拾い集めて、身支度を整え始めた。 「トキオともっと一緒にいられたらいいのにね」 「それは俺も考えている。直人には言ってある」 「何を?」 「カイと、二人で暮らしたいって」 「そんなこと可能なの?」  アンドロイドだけで暮らすなんて、できるだろうか。 「一番の難関は、光パパの説得だな」 「あ、それ絶対に言っちゃだめだから。お父さんってのもNGで登録しておいて」 「妊娠ユニットをつけることもできるらしい」 「そ、それはいらないよ」  二人は顏を見合わせて笑った。  カイとトキオが愛し合う関係になったのは、奇跡だったとしても、人間を模して作られたのがアンドロイドというなら、愛情は芽生えるべきだ。  愛情を持たないはずの最新型アンドロイドも、愛する人のおかげで幸せに過ごしている。アンドロイドは人間に利用されるだけではなく、愛されるために存在してもいいはずだ。    カイは自分のように、愛されているアンドロイドがもっと増えることを願った。  完
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!