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回想。幸せの絶頂期
「ーー翔太、あなたと知り合えて、私本当に良かったわ。。」
俺の肩に頭を乗せて、女は言った。
人生で一度だけ、結婚した女はそう言う。俺の罪と裏の顔を知らずにーー。
「ーー俺もだ。。」
甘い囁きを繰り返しながら、二人でベッドに潜り込む。
ここでは「人のいい顔」をしていなくてはいけない。
それは彼女を失いたくないからだ。。
彼女の名前は小林由美。25才。
目鼻立ちがすごく整っている顔つきで、どちらかと言えば、美人系だろう。
「ーーねぇ、私の事、、好き?」
彼女は答えを求める。
分かりきっているはずだ、と思いながら俺は仕方なくそれに答えた。
「ーーあぁ、好きだ。。愛してる。。」
そんな言葉で満たされるのか。
女と言うものはわからない。
彼女と付き合い初めて、もう三年が経とうとしている。
一年目より二年目、二年目より三年目。
彼女への想いが深くなっていく。
これが幸せと言うものなのだろうか?俺は彼女を想える事に幸せを感じている。。
「私、妊娠したのーーあなたの子よ?」
少し口ごもりながら、照れた様な顔で由美は言った。
「......ホントに?」
俺は急にワクワクした。
嬉しい様で父親になれるだろうか?と言う不安もある。もう何とも言えない気持ちだ。
「ーー大事にしないと。。子どもがいるんだから、安静にして。。」
翔太は言った。
この時の俺はまだ人間だった。。
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