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不幸の始まり。
ようやく俺も父親に、そして由美も母親になった。
それは結婚して三年目の八月の事だった。
元気な産声を立てながら、産まれたのは男の子だ。産まれたばかりのその子に「孝(たかし)」と名付けた。
由美は初めての出産で疲れたのだろう。
グッスリと眠っていた。
孝も眠っている。
お腹から出てくる前に、子供も何かで疲れるのかも知れない。。
それから程なくして、俺たちは離婚した。
原因は「裏の顔」が見られてしまった事にある。
すべては俺のせいだった。。
もし、孝が生まれていなければーー。
もし、俺が普通の男だったのなら、結末は変わっていたのかも知れない。。
そして現実へーー今俺がいる死後の世界へ。
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