綺麗な君へ。

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綺麗な君へ。

君は、覚えているかな?  僕と出会った高校時代。  僕と再会した映画館。  僕と暮らした桜の公園の前のアパート。 君との想い出は、どれも綺麗で...綺麗で...。 だけど、今日の君が一番綺麗だね。  純白姿の君が...花嫁姿の君が...。 ライスシャワーは痛そうだからフラワーシャワーがいいと言った君。 青空の下でガーデンウェディングをしたいと言った君。 理想通りの結婚式だね。 僕と目線が合うたび、硬い笑顔になる君。 幸せそうに笑ってみせて。 僕なら大丈夫だから。 君と同じ高校だったんだから知人もいるよ。 だから大丈夫。    ー 君が新郎の隣りで笑ってたとしても。ー 招待客じゃないけれど祝わせておくれよ。 とびっきりの僕の笑顔を受け取って。 お金に目が眩んだ、なんて言わないさ。 強欲な君を僕が知らなかっただけだから。 今日の君が一番綺麗だよ。 そんなもんだよ、そんなもん。 帰り道で桜を見たら、ナゼか、泣けた。 新郎に渡した御祝儀袋。  中身が内容証明書だったなら君は......?
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