27人が本棚に入れています
本棚に追加
「まりなちゃんは、今、学生なの?」
女の子はペロペロキャンディーを舐めながら、わたしを質問攻めにする。
「違うよ。フリーターだよ」
「ふーん、就職もしなかったんだね。どうして?」
女の子は小首を傾げて聞いてくる。
「それは……何となくかな?」
そうなのだ。特に理由なんてないのだ。やりたい仕事がなかっただけ。ううん、そうじゃないかも? どうしてなんだろうか。やっぱり自分の気持ちが分からなくなる。
「まりなちゃんって変なの~」
ペロペロキャンディーを舐め続けている女の子には言われたくない。
「変じゃないもん! そっちこそ、ペロペロキャンディーなんて舐め続けて変だよ~だ」
わたしは、女の子に向かって下まぶたを人差し指で引き下げあっかんべーをした。
「あ、なにその顔ひどいよ~それにね、このペロペロキャンディーを舐めているのはまりなちゃんのせいなんだからね!」
女の子は頬をぷくりっと膨らませて言った。
「えっ? わたしのせい?」
最初のコメントを投稿しよう!