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ジョンはふぅん、と笑うだけだった。
「やってみれば?」
肇は遠慮なく指を埋めていく。ジョンは顔を顰めるが、すぐにニヤニヤと肇を眺め始めた。
「相沢くん、ヒマ?」
ジョンはぐったりとベッドに伏せている相沢を見遣る。
「余裕があったらこっち来てよ」
相沢は重たい体を引きずるように四つ這いで寄ってきた。ジョンは相沢の頭を引き寄せて、耳元で何か囁く。相沢は微かに顎を引いた後、ジョンの胸に顔をうずめて舌を這わせていた。
肇はというと中指を根元まで挿れたところだった。ジョンはまだ余裕の笑みだ。
バリタチだと聞いていたが、ウケの経験があるのでは、と考えを巡らせる。
ジョンは乳首を舐める相沢の頭を抱え、悠然と寝そべりながら肇を見下ろす。ハレムの側室を侍らせる王のような尊大な態度だ。肇と相沢でジョンに奉仕しているような状況に肇は苛ついた。苛立ち紛れに指を増やす。
「イッテ。下手くそ」
ジョンは鼻で笑う。
「勃たせてみろよ」
ジョンは意地悪く片方の眉と口の端を上げる。ますます腹が立って、中指と人差し指でジョンの性感帯を探すも
「んー、飽きた」
ジョンは健気にも奉仕していた相沢を避けて起き上がり、肇の指を抜く。
肇はあっという間に押し倒されて唇を奪われた。
その間にジョンの手がペニスをしごく気配がして、唇が離れるとすぐコンドームを着けていた。
起き上がろうとすると肩を押さえつけられて、ジョンが相沢を呼ぶ。
相沢は肇にのしかかりながら、舌先で乳首を弄ぶ。それに視界を遮られているうちに、ジョンが侵ってきた。慣らされていたためすぐ奥まで埋まった。ジョンの形が馴染む前に抽送が始まる。揺さぶられながら相沢にも乳首を攻められて声が漏れそうになった。
腕を口に押し当てるも
「ダメ。それ禁止」
と退かしてくる。
「気持ちいいんだ?」
言葉でも嬲られ、肇は歯を食いしばって顔を背けた。追い討ちをかけるように相沢の手がペニスにも伸ばされる。ペニスを擦られる感覚も乳首に這うぬるりとした感触も下半身を貫く痺れるような快感も、混ざり合って撹拌されただ気持ちがいいという感覚が頭の中を支配する。声を抑えていても喉の奥から声にならない音が出た。
それから勝手に身体が反り返ってビクビクと痙攣した後、倦怠感が全身を包み急に頭の働きが鈍くなる。腹を覆う温い液体が温度をなくしていってひやりとした。訳の変わらぬまま達したことに気づく。
「アハッすっげえエロい顔見ちゃった」
ジョンの声と腰の動きに興奮が乗る。
腹の奥に怠さが溜まっていく。達した後に相手が絶頂を迎えるのを待つのは苦行に近い。
「やっぱりイイよ、お前」
淫靡な響きが鼓膜を震わせ不覚にもゾクリとした。ジョンが両腕で肇を縛り上げる。ジョンの下半身が震えて、肇の腹の下が熱くなった。
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