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「つ・・・ついてないんですけど、大丈夫ですか?」
「は?」
「チンコついてないんですけど、大丈夫ですか?
その・・・元は女だったんで・・・」
肇は思わず落合を上から下まで再び観察した。肇と同じくらいの身長で、胸はないように見える。シャツから伸びる腕はゴツゴツしていて、今の今まで完全に男だと思ってた。どう見てもゲイ好きする男にしか見えない。
しかし落合の大きな黒目は塗り潰されたように澱んでいて、節くれだった拳は微かに震えていた。
それに構わず肇は不躾な質問をぶつける。
「セックスはできるの?」
「・・・わかりません。こういうの、はじめてだし・・・」
「ふうん」
挿入だけがセックスだけでないし、今度はいつセックスが出来るかわからない。相手が女だろうが男だろうが抜くくらいは出来るだろうと肇は腹を決める。
「じゃあバニラで」
肇が服を脱ぎ捨てれば、驚きに落合の目も口も忙しなく動いた。
「え、やり方とか俺」
「適当に攻めて抜いてくれればいいから」
「適当にって・・・」
「うっせえな、突っ込まなくてもセックスはできるだろ」
落合の目に一瞬光が差す。が、すぐに目を伏せて
、いや、その、と呟き始める。「早くしろよ」と肇は脱いだシャツをベッドに叩きつけた。落合は観念し、やっとのそりとこちらにやってきた。
「あの、服着たままでも」
「好きにしろ」
肇は下着だけになってベッドの上で胡座をかく。落合はシャツを脱いで下着は履いたままにじり寄る。凹凸がはっきり分かるくらい分厚い筋肉に覆われた身体は男性にしか見えない。しかしボクサーショーツの前側の布は、あるべきものがなく垂れ下がっている。
それでも落合がベッドに乗れば、期待に下半身が疼いた。
「キスしても大丈夫ですか」
「ん」
まどろっこしくなり、肇から後頭部に手を回して引き寄せた。歯がぶつかるが気にせず舌で唇をこじ開ける。
感触の違いもよくわからない。舌を絡ませていると押し倒され、身体をまさぐられるうちに快楽の方に意識が向き始める。
乳首を吸われていると、反対側のそれも股間の肇自身も硬くなってくる。落合の膝がそこに当たると、彼はパッと顔を上げた。
「感じてます?」
「あ?普通に勃つけど?」
そっか、と落合の口の端が上がって、少し嬉しそうだ。
「脱がせていいですか」
いちいち聞かれるのが面倒になり、肇は自分で下着を脱いだ。
「触っても」
「わざわざ聞かなくていいから」
落合は節くれだった指で肇のペニスを握る。ゆるゆると上下に動かすうちに、肇から深いため息が漏れる。
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