月が綺麗ですね

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 ぱっと、また一つ、ひときわ大きな花火が夜空に咲く。その光に、一瞬照らされた幸子の頬がさっと朱を刷いたように赤くなる。 「ええ――」  彼女はややあって恥ずかしそうに微笑んだ。 「とっても綺麗です」  ドン、と徹の鼓動に重なるように、花火がまた一つ、夜空に打ち上げられた。 【完】
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