先輩、詰みです

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先輩、詰みです

 それから3年、俺は今平和に暮らしている。  兄貴の仕事を手伝って営業をしているのだ。精神的な方はこの3年で落ち着いた。今では殆ど薬も飲んでいない。 「それじゃ、営業行ってきます!」 「おう、気をつけろ!」  兄貴に送り出されて取引先へと向かうと、担当さんが俺を笑顔で迎えてくれる。  けれどその横に、もう一人誰かが立っている。背の高い、優男風な……。 「!」 「あぁ、森崎さんようこそ」  固まり、後退る俺に担当さんが笑いかけてくれる。当然のように、その横にいる男も。 「こちら、新しく営業に入った人でしてね」  男がにっこりと、柔和な笑みと共に名刺を差し出してきた。 「、相馬柚月と申します」 END
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