先輩、逃げなくていいんですか?

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◆◇◆  翌早朝、相馬はいつもオフィスに一番乗りをする。それには理由がある。  自分の席に座り、メモを取る。その耳にはイヤホンがついている。 『い……イク……んぅ! んぅぅ!』  掠れた森崎の声が耳の深い所で木霊しているのを聞くだけで、相馬は興奮で股間が痛くなる。昨日はお楽しみだったらしく、思わぬご褒美を貰えた。  おそらく森崎は知らない。誕生日に相馬が贈ったデジタル目覚まし時計の中に盗聴器が仕込まれている事を。彼は朝が苦手らしく、いい目覚ましが見つからないと言っていたのでこれ幸いと贈った。電池式だが律儀に使ってくれているらしく、電池交換をしてくれている。お陰でベッドサイドの音は綺麗に拾ってくれた。  昨日の森崎は可愛かった。酒で上気した肌、狼狽えた様子も。あのまま狩ってしまいたくなったじゃないか。  キス、しておけば良かった。あんなに怯えながらも拒めないなんて、いい人が過ぎる。押し倒してしまえば多分転がる。  あの時邪魔が入らなければキスくらいは出来たのに。惜しい事をした。  いや、むしろ良かったのか? 楽しみは最後まで取っておく方が美味しくいただける。焦って味見なんてしたら勿体ない。 「はぁ……いってぇ……」  ダメだ、これは一度抜かなければ。この時間を取るために早めに出勤している。皆は相馬は少しお腹が痛くなりやすいのだと思っているが、そうではない。森崎があまりに可愛すぎて股間が限界でトイレに駆け込むのだ。  トイレの個室に駆け込み、さっさと自分で処理してしまう。勿論おかずは昨日の森崎の自慰シーン。ヌチヌチと音がして、犬のようにはぁはぁと息が漏れて、時折小さく喘ぐ声まで入っている。これだけで何度でも抜ける。 「あぁ、畜生……ブチ犯したい……」  でも、あと少しだ。あの人が落ちてくるのも時間の問題。あと少しだけ、従順で可愛い後輩でいよう。
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