先輩、逃がしませんよ?

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◆◇◆  知らなかった……キスがこんなにも気持ちいいなんて……。  相馬の舌が俺の口の中を蹂躙する。絡まるだけで頭の中にビリビリした刺激が走って暴れてしまいそうになる。借りた新品のパンツが先走りでドロドロで、スエットにまでシミができている。 「はぁ、あっ……うぁあぁぁ!」  摘ままれた乳首が気持ちいい。痛いくらい硬くなってるのに、奥のほうがジクジクビリビリして背骨に響く。 「先輩の乳首、凄く大きくなってますね。可愛い。女の子みたい」 「ひあぁ! あっ、やだぁぁ!」  熱い舌が俺の乳首を舐め回す。乳輪から立ち上がったそこは女の子みたいに大きく硬くなっているのが俺でも分かる。  そして、ガクガクと腰を振ってしまう。早く出したいけれど、不慣れな刺激ではイクことができない。涙目でずっと相馬に擦りつけている。 「先輩、可愛い。気持ち良くなってるんですね」 「きもひ、いぃ……おかしくなる……」 「いいですよ、おかしくなって。俺が全部受け止めてあげます」 「やらぁ、怖い……」  不安しかなくて泣く俺の頬に手が触れて、涙を拭っていく。あやすようなキスは落ち着くのに、体はまったく落ち着かない。 「ズボン、脱がせちゃいますね」  ズボンごと下着も脱がされ、俺の股間はドロドロで大変だった。 「そう、ま……イキ、たい……」 「はい、わかりました」  にっこりと笑い、相馬が俺の昂ぶりに触れる。大きな手が握り込んで上下する、それだけで俺の頭の中は真っ白に飛んだ。 「んぅぅぅ!」  全身痙攣が止まらないくらいの射精に俺は真っ白になる。何度出しても出てくる気がする。それと一緒に相馬が俺の乳首を強く吸い、ほんの少し噛むからそれでも俺はイッた。訳も分からず一心不乱に、この強すぎる快楽から逃げるように。 「凄いです、先輩。たっぷり出ましたね」 「……ひっ、ふぅ……ふ……」  息が整わない。余韻と呼ぶにはあまりに強くて激しい。  相馬がベッドの横のサイドボードから何やらジェルのような物を取り出して、それを手の上に出して捏ねている。そして徐に二本の指を、俺の後ろへとあてがいグッと力を入れた。 「んぅぅ!」  何の抵抗もなく、俺は本来排泄をするための場所に相馬の指を受け入れた。そしてその指が何か硬い物を擦り上げた途端、俺の目の前は再び火花が散った。 「あぐ、あっ? あぁぁ!」 「凄く動いて、柔らかい。イッたから力が抜けてますね」 「な、に? そこ、いやらぁ」 「ここで俺を沢山愛してくれるんじゃないですか?」 「へあ?」  ここで? こんな場所で相馬を?  そういえば、男同士で夜の営みって、どうするんだ? 俺、何も知らなかった。  不安な目を相馬に向ける。男を思わせる少しギラついた相馬が此方を見て、にっこりと笑った。 「大丈夫、俺に任せてください」  俺はこれを飲む以外、選択肢がなかった。  嬌声というには色気のない、いっそ獣の咆吼のような声を俺は上げ続けている。四つん這いの状態で尻だけを突き出した俺の尻を、相馬はずっと犯している。グジュグジュと音を響かせ、中で捻り擦り上げながら。俺はその度に頭の中が真っ白で、クラクラする。 「先輩、才能ありますね。ここでイケるなんて、最高です」 「へぁ! あっ、あぁぁ! ゆるじて! もうイキたくないぃ!」  シーツに擦りつける俺の昂ぶりは壊れたみたいにジャバジャバ水を吐き出しながら、ずっと絶頂を繰り返している。俺は怖かったけれど、その度に相馬が「上手です」「可愛いです」と言ってキスをするから分からない。これは、正常なんだろうか。 「指が三本。入口は四本ギリギリ入ります。中、ずっと震えて雌イキしてますよ」 「んぉ! おぉぉ!」  四本? そんなに入ってるのか?  相馬の指が抜けたら、そこがスースーする。けれど代わりにとても熱い太いものが俺を串刺しにした。  瞬間、確かに俺は一瞬だが気を失った。腰骨から溶けて、また馬鹿みたいに水をまき散らしながら叫んだ俺は朧気に揺さぶられている。  熱い杭のようなそれが、俺の中を掻き混ぜて突き上げて犯していく。腹の奥まで入ったものが行き止まりを突き上げると、俺はまた一瞬意識を覚醒させてイク。擦れた乳首はもう痛いのすら分からない。痛いのが気持ちいい。 「凄い、あっ、これは興奮する。先輩、大好きです。愛しています」  愛……こんな激しいんだな、愛って……。  ぼんやりと思いながら、相馬の剛直が俺を揺さぶる。太くなっていって、激しくて。腹を破かれるんじゃないかとも思ったけれど、もう抵抗もできない。 「沢山、奥に出してあげますね。先輩、俺ので腹の中沢山マーキングされて気持ち良く飛んでください」  耳元で囁かれる熱っぽい声。俺の腹の中はこいつのもので一杯で、奥の奥まで犯されていく。深く深く、もうどこかも分からない場所が大きく波打つように快楽を伝えようとしている。今までのものよりずっと深くて大きくて、俺は死ぬんじゃないかと思うくらいの予感に震えた。 「く、る? 死んじゃう……うっ、うぁ、あっ、うぁぁぁ! はぐ! ふぅぅぅぅ! ひっ、ひぐぅぅぅぅ!」 「くっ、凄い締め付け。あぁ、くそ! 孕め先輩!」  襲ってきた快楽の大波は俺の思考を綺麗さっぱり切った。突如ブラックアウトした俺はその直前、確かにこんな相馬の声を聞いた気がした。それと同時に激しく揺さぶられ、深い部分に何か吐き出されているのを感じた。
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