第三章 恋とはどういうものですか?

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「キミは生物室に来ても、携帯をいじっているばかりじゃないか! 先輩を見習いたまえよ!」 「一人ぐらいやる気のない部員がいても、別に良いでしょー。先輩が入部したところで、人手不足は変わらないんだし」 「ぐぬぬぬ……ああっ! そんな長い爪をしていたら、まともに餌やりもできないじゃないか!」 「メガネが、あたしの分までたっぷりと餌やりをしてあげれば良いじゃない」  この短時間で、またケンカになってるし。  火花を散らしはじめた二人から離れて、かめきちに大根の葉っぱを与えていたら、王子先輩も私に並んで屈みはじめた。 「はい」  手に持っていた残りの葉っぱを手渡したら、先輩は「ん?」と首を傾げた。 「餌やりをしにきたんでしょう? 言われなくてもわかりますよ」 「あー、うん。それもあるけど、どちらかといえば羽鳥さんとお喋りしたいというのが本音かな」  息をするようにこういう言葉が出てくるあたり、やっぱりチャラいなぁ。
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