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「え?」
「あたしも、佳奈の助けになりたいのに」
「いきなりどうしたの。こうやって一緒にいてくれるだけで充分だよ」
「でも……。いつも助けられてばっかりなんだもん。この前の真ちゃんの噂のことだって、根回しをしてくれたんでしょ?」
なんだ、そこまで知っていたんだ。
「あれは、たまたま原先生が部室にやってきたから、ちょっと話を振ってみただけ。大したことはしていないよ」
「中学の時もさ、あたしが恋愛絡みのいざこざに巻き込まれてハブられてた時、佳奈だけは気にせず話しかけてくれたでしょ? あたしが不登校にならずにすんだのは、佳奈のおかげだよ」
懐かしいな。
るりとは、中学二年生の時に初めて同じクラスになった。
彼女は、その当時から、明るくてかわいい今時の女の子。教室内でも一番目立っている、派手な女子グループに所属していた。
対する私は、教室の隅の方で大人しくしているタイプ。いわゆる、ぼっちというやつだ。クラス替えをしたばかりの頃、いきなり風邪をこじらせて登校できず、グループに入りそびれたから。
るりがいた女子グループは、休み時間になるたび、男子たちと楽しそうに会話をしていて。私はその様子を教室の隅から眺めていた。
正直に話すなら、あの中の誰かと関わることだけはないと思っていた。そのぐらい、私と彼女たちとは、相容れない存在だったから。
だけど、クラス替えをしてから二か月が経った頃に、転機が訪れる。
ある日の教室で、るりが、いつも絡んでいる子たちに素っ気なくスルーされているのを目の当たりにしてしまったのだ。
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