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「ほんとに大丈夫? それなら良いけど。あのさ、羽鳥さん。話は変わるんだけど、十二月二十四日って空いている?」
唐突だと思ったものの、早く話をそらしたい身としては助かった。
たしか予定はなかったはずだ。ちょうど試験期間も終わった直後で、勉強も一段落している頃だろう。
「はい。特に、用事はなかったかと」
「ほんとに!?」
先輩は急に瞳を輝かせたかと思えば、こほん、とわざとらしく咳払いをした。
怪訝な顔をして首を傾げる私に、彼は、意を決したように告げた。
「ええと、その……。あのっ、その日、僕と出かけませんか?」
「はぁ。その日って、たしか日曜日でしたよね? 休日にお出かけするんですか?」
「そうそう! 実は、とある水族館で、珍妙な生き物展が開催しているみたいで! 羽鳥さんと行ったら、楽しそうだなぁって」
「珍妙な生き物展!?」
なにそれ、最高に楽しそう!
「うん。興味ある?」
「はい! ぜひ行きましょう!!」
「ありがとう! じゃあ、その日はよろしくね」
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