第五章 らしくない

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「ほんとに大丈夫? それなら良いけど。あのさ、羽鳥さん。話は変わるんだけど、十二月二十四日って空いている?」  唐突だと思ったものの、早く話をそらしたい身としては助かった。  たしか予定はなかったはずだ。ちょうど試験期間も終わった直後で、勉強も一段落している頃だろう。 「はい。特に、用事はなかったかと」 「ほんとに!?」  先輩は急に瞳を輝かせたかと思えば、こほん、とわざとらしく咳払いをした。  怪訝な顔をして首を傾げる私に、彼は、意を決したように告げた。 「ええと、その……。あのっ、その日、僕と出かけませんか?」 「はぁ。その日って、たしか日曜日でしたよね? 休日にお出かけするんですか?」 「そうそう! 実は、とある水族館で、珍妙な生き物展が開催しているみたいで! 羽鳥さんと行ったら、楽しそうだなぁって」 「珍妙な生き物展!?」  なにそれ、最高に楽しそう! 「うん。興味ある?」 「はい! ぜひ行きましょう!!」 「ありがとう! じゃあ、その日はよろしくね」
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