第五章 らしくない

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 元気よくうなずいたら、先輩は、にこにこと本当に嬉しそう。よっぽど珍妙な生き物展に行きたかったんだなぁ。先輩も中々の生き物好きだ。 「るりと、メガネくんも誘いますか?」 「あー、いや。できれば二人が良いかな」  えっ。  二人きり? 「……ダメ、かな?」  私の沈黙をどう受け取ったのか、不安そうに尋ねてくる先輩。  ダメ、というわけじゃないけれど。 「むしろ、先輩はそれでも良いんですか?」 「え?」 「私なんかと二人で良いのなら、かまわないけですけど」 「もちろん! というか、むしろ嬉しいよ。やった、羽鳥さんとデートだ」  ……へ?  デ、デデデデデ、デート…………!? 「すっごく楽しみにしてるから」  バクバクと、胸の鼓動が、急激にうるさくなりはじめる。  もしかして、とんでもない誘いを引き受けてしまったのでは? 「よろしくね、羽鳥さん」  先輩は、見ているこっちの目がくらみそうなほど眩しい笑み。今更、『やっぱりなしで!』なんて言ったらしおれてしまいそうだったので、おずおずとうなずいてしまったのだった。
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