45人が本棚に入れています
本棚に追加
元気よくうなずいたら、先輩は、にこにこと本当に嬉しそう。よっぽど珍妙な生き物展に行きたかったんだなぁ。先輩も中々の生き物好きだ。
「るりと、メガネくんも誘いますか?」
「あー、いや。できれば二人が良いかな」
えっ。
二人きり?
「……ダメ、かな?」
私の沈黙をどう受け取ったのか、不安そうに尋ねてくる先輩。
ダメ、というわけじゃないけれど。
「むしろ、先輩はそれでも良いんですか?」
「え?」
「私なんかと二人で良いのなら、かまわないけですけど」
「もちろん! というか、むしろ嬉しいよ。やった、羽鳥さんとデートだ」
……へ?
デ、デデデデデ、デート…………!?
「すっごく楽しみにしてるから」
バクバクと、胸の鼓動が、急激にうるさくなりはじめる。
もしかして、とんでもない誘いを引き受けてしまったのでは?
「よろしくね、羽鳥さん」
先輩は、見ているこっちの目がくらみそうなほど眩しい笑み。今更、『やっぱりなしで!』なんて言ったらしおれてしまいそうだったので、おずおずとうなずいてしまったのだった。
最初のコメントを投稿しよう!