第六章 ドキドキのクリスマスイブ

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「ねえねえ! 改札前に立ってるあの人、めっっちゃイケメンじゃない?」 「ホントだ、やばい格好良い! うわあぁ、芸能人とかかな」  まさか……!  目の前を歩いていた女性たちの色めきだった声に、顔をあげれば。  改札を通り抜けた先の大きな柱の前に、彼は立っていた。  今日の王子先輩は、ショート丈でグレーのダッフルコートに、スキニーのジーンズ姿。なんてことのないシンプルな装いが、彼のスタイルの良さを引き立てていて、道行く人々の注目をこれでもかというほどさらっている。  少し離れたこの場所からも、その輝かしい姿は飛びこむようにして目に入ってきた。  うわぁ、どうしよう。  とんでもなく、格好良いんだけど!
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