第六章 ドキドキのクリスマスイブ

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「ウーパールーパーって、名前の響きが良いよね。耳に残る」 「あー、わかる気がします。かわいいですよねぇ、生物部でも飼いたいぐらいです」 「え。そもそも、一般人にも飼えるの?」 「はい。アクアリウムショップなんかに足を運ぶと、購入できますよ。かくいう私も一時期飼育を検討したのですが、金銭面で断念しました。社会人になったら再検討しようかと」 「そこまで生き物が好きなら、いっそのこと、飼育員とか目指してみたら? 個人では飼えないスケールの生き物たちのお世話もできるし」 「えっ」  飼育員、か。  どうしてだろう。  言われてみるまで、考えたこともなかった。 「意外だな。てっきり、もう目指してますって言われるかと思ったのに」 「目指してみても良いのかなぁ」 「どういうこと?」 「漠然としているんですけど、好きなことを、そのまま仕事にするというイメージが持てなくて。好きなことはあくまでも趣味にしかなりえないって、心のどこかで思っていたのかも」
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