第六章 ドキドキのクリスマスイブ

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 ✳︎✳︎✳︎ 「ねえ。王子とクリスマスイブにデートしてた疑惑の羽鳥さんって、どの子?」 「もしかしてぇ、あの子だったりする? やば、空気のような存在感のなさなんですけど」 「いやいや。遊んでそうなのに、特定の誰かと噂になったことだけはなかった王子の初の疑惑相手があれって……ありえないっしょ」 「でも、羽鳥って苗字の子は他にいないんだよね」  ああ。やっぱり、めちゃめちゃ噂になっちゃってしまった……。  登校するなり、今日は各方面からやけに視線を感じる。昨日、ばっちりと白鳥先輩に目撃されてしまったから、ある程度覚悟していたとはいえ、いざこうなると胃が痛い。  うつむきながら下駄箱を開けたら、手に、ぬるりとした感触。  蛙?  なぜか、アマガエルが、私の下駄箱の中に鎮座していた。  なんで、こんなところに?  迷いこんだにしては、さすがに不自然だよね。
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