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「ふふっ。固まってる、固まってる」
「あんな成りで、みんなの王子に目をかけてもらおうだなんて、図々しいにもほどがあるよねぇ」
どこからともなく聞こえてきたひそひそ話で、やっと状況を理解する。
あー、なるほど。
この蛙くんは私への嫌がらせの一環で仕込まれたというわけね。
ごめんね、アマガエルくん。こんなしょうもないことのために、下駄箱なんかに閉じこめられてかわいそうに。君も災難だったね。
「怖かったね。よしよし、もう大丈夫だから」
下駄箱の中で大人しく佇んでいるカエルくんを、両手で保護。
「げっ。あの女、いま、素手で蛙を掴まなかった?」
「うっそ、ありえない! まさかのノーダメージ!?」
そのまま無事に外へと逃がしてあげて、深いため息をついた。
はぁ。
もうこんなに広まっているなんて、気が重たいなぁ。
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