第六章 ドキドキのクリスマスイブ

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「はぁ。朝からどっと疲れたよ」 「るり。その、ごめんね。ありがとう」 「ううん、あたし自身はぜんぜん大丈夫。それよりも、佳奈こそどうなの? ひどいこととかされてない!?」 「ええっと、大丈夫だから落ち着いて? あっ。強いて言えば、下駄箱に蛙を入れられたけど」 「げええっ、蛙!?」 「うん。ちゃんと外にかえしてあげたよ」  るりは、ぱちぱちと瞬きをすると、噴き出した。 「さっすが、佳奈! そっかぁ、佳奈にその手の嫌がらせは通用しないよね」 「うん」  二人一緒に、生物室の椅子に腰掛ける。  ほっとしたら、よほど緊張していたのか、全身に疲労が襲ってきた。 「……迷惑をかけて、ごめんね」 「そんなに縮こまらないでよ。困った時は、お互い様でしょ」 「そっか」 「そーゆーこと! でも、あたしが知らない間に、まさか王子先輩とそんな進展があったとはねぇ。なにも話してくれなかったのは、ちょっとさびしかったな」 「うっ。ご、ごめんね? るりに話すほどのことではないと思っていたんだ」  るりは考えこむように腕組みをした。大きな瞳が、私の心をのぞきこむように、じいっと見つめてくる。 「単刀直入に聞くけど、佳奈は、ぶっちゃけ王子先輩のことをどう思ってんの?」
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