第一章 恋とは一生縁がないのだろう

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「目指すは、真ちゃんのクラス! 二年一組へレッツゴー!」 「担任をしているからといって、そのクラスにいるとは限らないんじゃない?」 「まぁ、そうだけど。かといって、他に心当たりもないしさぁ」 「原先生のことだから、屋上で煙草でもふかしてサボってそう」 「うわー、めちゃめちゃありえるじゃん! やっぱり屋上に行こう!」 「方針ブレブレだなぁ」  くだらない会話をしながら、見知らぬ来訪者で賑わう校舎を進んでいく。通い慣れているはずなのに、いつになく活気があって知らない場所のように思える。  ひとまず三階の二年一組へ向かうことになって、階段を目指していたら、不思議な光景に出くわした。 「はいはい、押さないでー! 通行者の邪魔にならないよう、一列に並んでくださいね~!」  階段の上の方から一階の廊下に至るまで、とんでもない長蛇の列ができている。  しかも、並んでいるのは、全員女子? 「最後尾はこちらです! ただいま、一時間待ちとなっております」  一時間!?  愕然としている間にも、列は、どんどん伸びていく。  嘘でしょ?  たかが高校の文化祭の一出し物に、こんなに人が並んでいるなんて、普通に異常事態だ。
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