間章その3 王子さまはご機嫌斜め

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 その時の、羽鳥さんの表情ときたら。まるで、この世の終わりを宣言されたかのような顔だった。  僕とは今ここでたまたま会っただけだと即座に言い訳までしていて、地味に、めちゃめちゃヘコんだ。  それはそうと、かなり顔色も悪かったようだけど、大丈夫かな。  大丈夫……ではないよな。  一刻も早く、羽鳥さんに会いにいきたい。  でも、さすがにこの状況で堂々と一年の教室に出向くのはためらわれた。なにより、これ以上、彼女に嫌われてしまうことは避けたかったから。  放課後が、待ち遠しい。  イライラと焦りが、苦しいぐらいに募っていく。
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