第七章 わかってしまった

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 すべてを聞き終えた先生は、腕を組みながら、なにか考えこむように天井を見上げた。 「立ち入ったことを聞くようで悪いけど……それって告白をして振られたのか?」 「いいえ。他人の口から、私に対してそういう感情はなかったと聞いたんです」 「んーー……なるほどねぇ。なぁ、羽鳥」 「はい」 「話は変わるが、お前、うちのクラスの王子慧ってわかるか?」 「えっっ!?」  やばい。驚きすぎてヘンな声が出た。  こめかみの辺りから、だらだらと汗が流れ出る。  なんで?   あれだけ細心の注意を払いながら話をしたのに、どうして先生は相手が先輩だってわかったの?   もしかして、エスパーだったりする?  わからない。焦りすぎて、眩暈までしてくる。
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