間章その4 王子さまの見た夢

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 ふっと目を覚ましたら、もうすぐ夕方になる頃だった。  どうやら、寝落ちしてしまったらしい。なにも食べずに寝ちゃったから、さすがにお腹が空いているな。  のそのそと起き出して、冷蔵庫の中身をあさったけれど成果なし。いま食べれそうなもの、なんにもないなぁ。  買いに行かないとダメか。  身体は相当だるいものの、近所のスーパーまでならなんとか行けそうだ。  不自由な身体を引きずりながら、やっとのことで、マンションのエントランスまで降りていったら、信じられない光景を目にした。  羽鳥さん……?  羽鳥さんが、なんで、うちのマンションに?  ぼーっとしていたら、彼女は慌てた様子で僕の方まで駆け寄ってきて。手を貸してくれた上に、部屋についてきて、ベッドに倒れこんだ僕を心配そうな顔で見つめている。  これは、夢?  僕が、あまりにも彼女への想いをこじらせすぎて、ついに夢にまで出てきてしまったのか?  たとえ、そうであっても、死ぬほど嬉しい。  お願い。  夢なら、このまま醒めないで。  熱に浮かされていたこともあり、いろいろなことを口走った気がする。  クールそうに見えて、好きな生き物のことになると夢中になってはしゃぐ。親友想いで、しっかりしていそうに見えるのに、微妙に抜けている。不器用だけど、本当は、すごくやさしい君のことが好き。  羽鳥さんが、好きだ。  情けないぐらいに、あきらめきれていない。
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