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ふっと目を覚ましたら、もうすぐ夕方になる頃だった。
どうやら、寝落ちしてしまったらしい。なにも食べずに寝ちゃったから、さすがにお腹が空いているな。
のそのそと起き出して、冷蔵庫の中身をあさったけれど成果なし。いま食べれそうなもの、なんにもないなぁ。
買いに行かないとダメか。
身体は相当だるいものの、近所のスーパーまでならなんとか行けそうだ。
不自由な身体を引きずりながら、やっとのことで、マンションのエントランスまで降りていったら、信じられない光景を目にした。
羽鳥さん……?
羽鳥さんが、なんで、うちのマンションに?
ぼーっとしていたら、彼女は慌てた様子で僕の方まで駆け寄ってきて。手を貸してくれた上に、部屋についてきて、ベッドに倒れこんだ僕を心配そうな顔で見つめている。
これは、夢?
僕が、あまりにも彼女への想いをこじらせすぎて、ついに夢にまで出てきてしまったのか?
たとえ、そうであっても、死ぬほど嬉しい。
お願い。
夢なら、このまま醒めないで。
熱に浮かされていたこともあり、いろいろなことを口走った気がする。
クールそうに見えて、好きな生き物のことになると夢中になってはしゃぐ。親友想いで、しっかりしていそうに見えるのに、微妙に抜けている。不器用だけど、本当は、すごくやさしい君のことが好き。
羽鳥さんが、好きだ。
情けないぐらいに、あきらめきれていない。
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