最終章 あふれる気持ち

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「ごめん、嘘ついた。ちょっとだけ、みんなの話していた噂が気になって」 「噂? あっ、王子先輩の?」  観念して、うなずくと。 「ここのところ、佳奈の様子なんかヘンだなぁとは思っていたけど……やっぱり、先輩に関係があったりする?」  耳打ちをしてきたるりは、しょんぼりと眉尻を下げた。  関係ない。  少し前までの私なら、強がって、そう言いきれていたと思う。  だけど、今の私は、そんな嘘すらつけない。  すっかり弱くなったな。  口をつぐんでうつむいたら、るりは今にも泣きそうな顔をしながら、私の両手を握りこんだ。 「ごめん、佳奈。あたし、冬休み前の佳奈の言葉を鵜呑みにしていたけど……もしかしたら、大変なことをしちゃったかもしれない」  どきり、と心臓が高鳴った。  一体どういうこと?
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