最終章 あふれる気持ち

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 互いの息遣いさえも聞こえそうなほどの静寂が訪れる。まるで、時が止まってしまったかのようだった。そのぐらい王子先輩がかちこちに固まっているから。  ええと……大丈夫、かな?  たしかにびっくりさせるようなことを言ってしまったかもしれないけれど、まさか、動きを止めるほどのショックを与えてしまうなんて。 「あの……先輩? 生きてますか」  微動だにしないから、さすがに心配になって、彼の顔色をうかがうように身を乗り出したら。  腕を掴まれて、強く身体を引き寄せられた。  !? 「……君は、本当にずるいなぁ。あーっ、もう……。僕の方から、言うつもりだったのに」  えっ!  先輩に抱きしめられてる!?
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