第一章 恋とは一生縁がないのだろう

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 日の光を浴びて輝く金髪に、色素の薄い瞳。  まるで、神さまが寵愛するために作った人形のように、整った容貌。  普通ならコスプレにしか見えないであろう執事服を、あまりにも自然にかっこよく着こなしている彼には、見覚えがあった。  この鮮烈な輝きは、一度見たら、忘れられない。  王子先輩だ。  けれども私は――目の前に噂の先輩が立っているということ以上に、彼の腕にかめきちが捕獲されていることの方に驚いた。 「……かめきちぃぃぃ!!」  ああ、良かった! 無事だったんだ!! 「もーー、なんで脱走したりするの~っ。誰かに踏みつぶされていたらどうしようって、気が気じゃなかったんだからね!?」  先輩に抱かれているかめきちは、騒ぐ私をぼうっと見つめている。自分がしでかしたこともわかっていないのだろう。呑気な子だ。 「はぁ、寿命が縮まった気がしたよ。でも、無事で本当によかったぁ」  かめきちに目線を合わせながら笑いかけると、こくりとうなずいてくれたような気がした。 「こほん。……つまり、君が、この子の飼い主ということだよね?」  はっ!  かめきちとの再会を喜ぶあまり、王子先輩の存在を空気にしてしまった! 「あっ、はい。まぁ、そんなところです」  慌てて返答したものの、なんともいえない沈黙が落ちる。  心なしか、先輩にじいっと見られているような。  居心地が悪い。  亀に愛称をつけてかわいがっているなんて、ヘンな子だと思われているのかも。  それでも、かめきちを拾ってくれたことに関しては、きちんとお礼を言わねば。 「かめきちを拾っていただいて、ありがとうございました」
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