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「おー。珍しい、今日は全員勢ぞろいなのか?」
「真ちゃん!!」
「うおわっ!? ひっつくな! 今すぐ離れろ!!」
「だってさー、大事な親友が急に恋を実らせちゃったものだから、あたしだけ独り身でさびしいんだもん」
「「ちょっ!?」」
原先生が、るりを引きはがそうとするのをやめて、私と王子先輩を交互に見やる。
「へえ、ふうーん。そう。恋を、実らせたのかぁ」
っっ~~。
悪い笑顔!
「その話は、俺も興味があるなぁ。じっくりと聞きたいものだ」
慌てて話題を変えようとしたら、なぜか、隣にいた王子先輩の方が私以上に焦ったような顔をしていた。
「……あー、えと。その節は、お見苦しいところを」
「あー、良い良い。気にすんなって。失恋した~~ってびーびー泣いてる王子を慰めんのも悪くなかったぞ」
「っ。言ってくれますねぇ、先生。それなら、僕からも言わせてもらいますけど、先生の言っていたみっともない恋愛がどうこうって、もしかして坂本さんのことなんじゃ――」
「っっ。黙れ、このクソガキが!」
「ああっ! 教師がそんな暴言を吐いて、良いんですか~!?」
……ええと。詳しい事情がわからないけれど、それは後から、じっくりと聞くことにしよう。
「原先生。色々とありがとうございました」
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