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「そりゃ、驚くよ……! だって、羽鳥さんが、僕のことをそう言ってくれたのたぶん初めてだし」
「そういえば、口にしたことはなかったかもです」
「えっ? ……ってことは、今までも心の中ではそう思ってくれていたってこと!?」
「当たり前じゃないですか、かっこいいと思ってますよ」
彼は、目を丸くした。
それから、照れたように頬を赤く染めた。
「僕さ、かっこいいって言われて、嬉しいと思うの初めてだよ。好きな子に言われると、こんなにドキドキするんだね」
噛みしめるように言って、先輩が、やさしく笑うから。
こっちまで、心臓がドキドキと高鳴ってしまう。顔まで、熱いぐらいだ。
先輩を好きになってから、私の心は、ずいぶんと自己主張が激しくなった。
なんだか調子が狂うなぁ。
「そんなことよりも先輩」
「ねえ、ここで話をそらすの!? ひどくない? けっこう勇気を出して言ったんだよ!?」
「風邪、ちゃんと治ったんですか? お見舞いにいった時、だいぶ苦しそうでしたけど」
平静を装いながら、強行突破で話題を変える。
……これ以上この話を続けたら、負けは目に見ているし。
「ああ~! そういえばさ、あれ、やっぱり夢じゃなかったんだよね?」
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