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「は?」
「僕が寝込んでた日のこと。あの日は、風邪で意識が朦朧としていたっていうのもあるんだけど、羽鳥さんが現れた時は、君に会いたすぎて夢でも見てるのかと思ったよ」
くっ。
せっかく話題を変えたのに、またもや、顔が熱くなるような台詞を平然と口にする!
「もお! 先輩は、どうして恥ずかしいことばかり言うんですか!?」
「ええっ!? だって、全部ほんとのことだからっ」
先輩の真っ直ぐな言葉は、正直、とても心臓に悪い。
そわそわと落ちつかなくて。でも、決して嫌なわけじゃない。むしろ……本当は、嬉しい。そんな風に思うんだから、だいぶ彼に脳みそをとろかされている気がする。
それこそ、恥ずかしすぎて、本人には絶対に言えないけれど。
「ちなみに、どうして僕の家の住所がわかったの?」
はっ! そういえば、まだ、その話をしていなかったっけ。
「言っておきますけど、私は決してストーカーをしたりはしていませんからね?」
「疑ってないよ。まぁ、たとえそうだったとしても、羽鳥さんなら大歓迎だけど」
「そこは、普通に引いてほしいところですけど」
「そうかな。というかさ、ストーカーってわりとよくあることじゃないの? 勝手に後をつけられちゃうから対策のしようもないんだよね」
「えっと、ごめんなさい。人生で一度もありません。先輩はつくづく大変な世界を生きているんですね」
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