第一章 恋とは一生縁がないのだろう

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 ちなみに、人間はあまりに眩しいものを前にすると、目がくらむようにできている。 「……ええと、先輩よりも、後輩なのでご心配なく。それと、ごめんなさい。私、そろそろ戻らなくてはならないのでもう行きますね!」 「えっ! ちょっと待ってよ!」  かめきちをしっかりと抱きかかえて、逃げるように来た道を舞い戻る。  まさか、あの王子先輩と会話を交わす日がくるだなんて、思いもよらなかった。さっきのが、最初で最後だとは思うけれど。  先輩、地味な私にも親切だったな。  かわいい女の子には、うんとやさしくするに違いない。  そして、誰もが彼を好きになる。  うん。  やっぱり関わっても、ろくなことはなさそうだ。  早くメガネくんにかめきちが見つかったことを報告してあげよう。今頃、校内を駆けずりまわっていたら、申し訳ないもんね。
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