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ちなみに、人間はあまりに眩しいものを前にすると、目がくらむようにできている。
「……ええと、先輩よりも、後輩なのでご心配なく。それと、ごめんなさい。私、そろそろ戻らなくてはならないのでもう行きますね!」
「えっ! ちょっと待ってよ!」
かめきちをしっかりと抱きかかえて、逃げるように来た道を舞い戻る。
まさか、あの王子先輩と会話を交わす日がくるだなんて、思いもよらなかった。さっきのが、最初で最後だとは思うけれど。
先輩、地味な私にも親切だったな。
かわいい女の子には、うんとやさしくするに違いない。
そして、誰もが彼を好きになる。
うん。
やっぱり関わっても、ろくなことはなさそうだ。
早くメガネくんにかめきちが見つかったことを報告してあげよう。今頃、校内を駆けずりまわっていたら、申し訳ないもんね。
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