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きらめく金の髪に、透き通るように白い肌。
色素の薄い瞳、筋の通った高い鼻、花びらのような唇、すらりと高い背丈。
なんて、かっこいい人なんだろう。
遠目に見ても、華やかな容貌だとわかる。
「はー、相変わらずのかっこよさだなぁ。ま、あたし個人としては、真ちゃんの方がタイプだけどね!」
まるで、絵本から飛び出てきた王子さまが、うちの高校に迷いこんでしまったようで驚いた。住まいはヨーロッパの立派なお城だと言われても鵜呑みにしそうだけど、うちの高校の制服を身につけているし、一生徒のようだ。
王子先輩(?)は上履きからローファーに履き替えると、わらわらと集まっている女子生徒たちに向きなおった。
「特に誰とも約束はしていなかったよね? みんな、嘘はいけないよ」
「「きゃー!!!!」」
「何度も言っているけれど、僕は誰か一人を特別にするつもりはないから」
「「きゃー!!!!」」
「じゃあ、また明日」
「「きゃー!!!!」」
彼が颯爽と昇降口から出ていくと、女子生徒たちは夢から醒めたかのような顔をして、用は済んだとばかりに散らばりはじめた。
…………なに、あれ。
「佳奈ったら、そんな白けた顔をしないの。あの光景は、もはやうちの高校の名物じゃん」
「えっ……。そうだったんだ」
「ウッソ! もしや、王子先輩のことをご存知でない!?」
「少なくとも、目にしたのは初めてだね」
きらびやかな容姿に、彼を取り巻くたくさんの女子生徒。あんなに目立つ人だったら、一度でもすれ違えば忘れない。
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