第三章 恋とはどういうものですか?

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「はぁ。何を話すんですか?」 「んー、そうだね」  彼は彼で、私の塩対応に慣れてしまっている。 「そういえば聞いていなかったけど、羽鳥さんは、どうして生き物好きになったの?」  思いがけない質問に、固まってしまった。 『佳奈ちゃん。これから、かめきちに日光浴をさせてあげようね。甲羅を大きく健康に成長させるのに、大事なことなのさ』  耳の奥から、おばあちゃんの声が蘇ってきて、首を絞めつけられたように息が浅くなる。 「羽鳥さん……?」  先輩も、さすがに様子がおかしいと思ったのだろう。  怪訝そうにのぞきこまれて、とっさに顔をそむけてしまった。 「……別に。ただ、なんとなくですよ」  やっとのことで、そう返答するのが精一杯。  彼は、私を見つめてきたけれど、それ以上尋ねようとすることはなかった。
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