第三章 恋とはどういうものですか?

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「おはよう、るり……って、どうしたの」  教室に足を踏み入れて、そのまま、るりの机の前まで来てみたら。 「……あっ、佳奈だぁ。おはよ~……」  このままキノコでも栽培しはじめそうな暗い返事が返ってきた。  上半身を、だらりと机の上に投げ出している。  異常事態だ。  いつも元気いっぱいのるりが、こんなにしおれているなんて。 「今日の坂本さん、珍しく元気ない感じだね」 「体調でも悪いのかなぁ」  他のクラスメイトにまで心配される始末。 「なにがあったの」 「……実は」  手招きをされて、口元に耳を近づけると。  るりは、魂までこぼしてしまいそうなほどの、重いため息を吐いた。 「……真ちゃんが、数学科の早乙女先生と良い感じだって噂になっているの」  なるほど。  数学科の早乙女先生といえば、うちの高校きっての美人教師。歳も若く、たしか原先生と同世代だったような気がする。
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