第三章 恋とはどういうものですか?

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「へえ」 「みんなが自然にわかるはずのことが、私にはわからない。だから、どうして、親友があれほど落ちこんでいるのかもよくわからないんです……。だけど、わからないなりに、少しでも知りたい」  なまぬるい沈黙が流れた後。  頭上にやさしい温もりが降ってきた。  ――あれ?  それが、先輩の手のひらだと気がついて、驚きに目をみはる。 「あっ……えと、ごめん。つい、その」  視線が交差して、先輩は慌てたように、手を引っ込めた。  えっ?  いまの、なに!?  先輩にとっては、たかがスキンシップ。  女子の頭を撫でるなんて、挨拶みたいなものなのかもしれない。  だけど、私にとっては、完全に未知の世界で。  動揺から口をぱくぱくとさせることしかできずにいたら、先輩は目元を和らげた。
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