第三章 恋とはどういうものですか?

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 正確に言えば、その類の話はるりから聞くのがほとんどで、自分からはしない。でも、ここは濁しておくのが正解だろう。 「まあ、いちおう女子高生ですし」 「でも、羽鳥って、俗世とは遠い世界で生きてる仙人的な雰囲気あるじゃん? 達観してるよな、すでに人生二周ぐらいしてそう」 「それ、軽くけなしてませんか?」 「いやいや。つまりは大人っぽいってことだよ、喜びなさい」 「相変わらず、適当ですね」 「人生なんてかったるいもの、クソ真面目に生きてたら、すーぐ疲れちまうよ?」  にししと笑う先生を見ながら、つくづく思う。  この人、よく教員採用試験受かったなぁって。 「噂のことだけど、早乙女先生とは残念ながら特に何もねーよ。数少ない同世代の同僚だから、たまに飲みにいったりはするけど。その時、生徒に目撃されてたんじゃねーかな」  自分のことをまるで他人事かのように話す先生に、少しだけムッとしてしまう。その噂のせいで、るりは食欲もなくすほど落ちこんでいるのに。
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