第三章 恋とはどういうものですか?

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 顔が熱い。  鏡で見たら、赤くなっていそうだ。  いたたまれなくなってうつむいたら、隣から、「どうして?」というあたたかい声が聞こえてきて。 「僕は嬉しかったよ」  嬉しかった?  予想外の言葉に、恐々と顔をあげる。 「ふふっ。やっと、たくさん話してくれたね。もっともっと、羽鳥さんの話を聞きたいなぁ」  にこりと笑った先輩は、お世辞を言っているようではなくて。それが先輩の本心だと思ったら、なぜだか余計に恥ずかしくなった。 「あ、あんなつまらない話を聞きたいだなんて、先輩は、変わっていますね」 「そう? 羽鳥さんには、どんな風に僕が映っているのかわからないけど――少なくとも、僕は君といる時間が好きだよ」  先輩は、色んな女の子に、このとろけるような笑顔を向けているのかな。  何気なく浮かんできた疑問を、急いでかき消す。
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