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彼はといえば、再び、目の前のかめきちに夢中になっていた。
「ねえ。この子はいま何歳ぐらいなの?」
「……もうすぐ、四十歳近くになりますかね」
「ええっ!? まさかの、めちゃめちゃ年上!」
「そーですよ。かめきちからしたら、先輩なんてお子ちゃまです」
「む。それをいうなら、羽鳥さんもでしょ?」
「まぁ、そうですけど」
そんな、くだらない言い合いをしていたら。
突然、窓の外が、ピカーンと真っ白に光った。
――ゴロゴロドッカーン!
「いやあっっ!」
鋭い雷鳴音に、つんのめるほどビックリして。
とっさに、先輩の制服の裾を掴んでいた。
「わっ」
腕を引かれてバランスを崩した彼が、ものすごく近づいてきて。
ひゃあっ。
先輩が、めちゃくちゃ近い!
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