第三章 恋とはどういうものですか?

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 やばい。慌てすぎた反動で、先輩を突き飛ばしてしまった。 「ちょ、急に突き飛ばさないでよ」 「だ、だってっ。あ、あんな態勢ではいられないじゃないですかっ」  気まずい沈黙が落ちる。 「……そう? 嫌だったなら、ごめん」  先輩が、さびしさを押しこめたような顔で、笑おうとするから。  たまらないような気持ちになったんだ。 「あ、謝らないでくださいよ! どうして先輩が謝るんですか!」  急に怒りだした私に、先輩は大きな瞳をぱちくりとさせた。 「は?」 「だって、先輩は、なんにも悪くないじゃないですかっ! わ、私が、てんぱって子供じみたことを言っているだけなんだから、そういう時は、ちゃんと怒ってくださいよ!」
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