第三章 恋とはどういうものですか?

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 ああ、もう。  どんな逆ギレだよ……自分で自分にあきれてくる。  何を主張したいのかもよくわからなくなってきて、ただ、すねた子供のようにむっつりと唇を引き結ぶ。  しばらく経って、くすくすと鈴を鳴らしたような笑い声が転がってきた。 「ふふっ」 「な、なにがおかしいんですか!?」 「だって。こんな時でも真面目な羽鳥さんがおかしくて。かわいいなぁ」  …………。  かわいい!?  いや。今のは、あえて聞こえなかったことにしておこう。王子先輩は言い慣れていて、どうせ大した意味もないんだろうし。 「わ、笑わないでくださいっ!」 「はいはい。ふふっ」  それからも、なにがツボに入ったのか先輩は愉快そうに笑いつづけていた。  いつの間にか空模様も、彼の上機嫌を祝福でもするように、雨があがっていた。
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