第四章 ある寒い冬の日のこと

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 ほら。  るりがかわいがってくれることなんて、滅多にないでしょう? これは、私をびっくりさせるための冗談なんだって、わからせてよ。 「ん……?」  ひりひりと、焦げつきそうなほどに、そう願ったけれど。 「えっ」  恐々と、かめきちに触れたるりの顔から、どんどん血の気が引いていく。 「坂本くん?」 「何かあったの?」  別の子たちに餌をやっていたメガネくんと、裏口から顔をのぞかせた王子先輩が、異変を察知して集まってくる。 「…………待って。ねえ、佳奈。かめきち、もしかしてさ――」  ――死んでいる……よね?
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