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僕、王子慧には、最近気になっている女の子がいる。
真面目そうで、きっちりとしているところまでは、見た目どおり。
話すと、かなりサバサバとした感じの子だ。
大の生き物好きで、とりわけ亀を愛している。
彼女の名前は、羽鳥さん。生物部所属の一年生だ。
『はぁ。えーっと……先輩、また来たんですか?』
羽鳥さんは、僕には素っ気ないけれど、生物室の生き物たち相手にはうんとやさしい顔をする。僕としては、もっと彼女と話をしてみたくてけっこう必死なのだけど、いつもなにかとクールにあしらわれている。
そもそも、女の子から冷たい態度をとられること自体が新鮮だった。それで、最初は、ただ興味深かっただけなんだけど……。
知れば知るほど、目が離せなくなっていく。
先日、そんな彼女から唐突に、こんなことを尋ねられた。
『王子先輩。恋とは、どういうものなんでしょうか?』
まぁ、噴き出したよね。
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