間章その2 王子さまの恋煩い

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「まーでも。お前みたいな絶世のイケメンから抱きしめられたら、大抵の女子は、ふつーに嬉しいんじゃね?」 「欠片も役に立たないゴミアドバイスを、どうもありがとうございました。せんせーに相談した僕がバカでしたよ」 「おーおー、むくれんなって。あー。お前、かわいいな」  イライラ全開の僕に、先生はニシシと悪戯っ子のような顔で笑う。 「なんで先生みたいなのが先生になれたのか、理解に苦しみますよ」 「あー……それは、バカな幼馴染のせいなんだよな」 「は?」 「なんでもねー。とにかく、応援してるよ。頑張れ、王子少年!」 「僕、もう帰りますね」 「ちなみに、どんな子?」  さらなるネタを提供するだけだとわかっていながら、答えずにはいられなかった僕は、よほど恋の話し相手に飢えていたのかもしれない。 「……まじめで、やさしい子ですかね」  大人しいのに、生き物の話をしはじめると途端におしゃべりになるところなんて、すっごくかわいい。見ていて、頬がゆるんじゃうよね。 「マジでベタ惚れじゃん。思い出しただけでニヤけるなんてさ」  あー。  僕、けっこう重症かもな。
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