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「今年はこのゲームが人気だな」
「おもちゃではこのキャラクターが人気だ」
仕分け棚に次々に手紙が置かれていく。
「この手紙は……」
「ん?どうした?」
《サンタさんへ
わたしが しょうらいけっこんするひとのしゃしんがほしいです。ななこより》
サンタクロースでも、未来のことまではわからない。
「どうする?」
「最近の女の子はおマセちゃんだね」
「発注班もこれは無理だよな?」
「う~ん……」
ななこからの手紙は、サンタクロースの国中に広がり『Nanako‘s marriage partner(ナナコズ マリッジパートナー)』と言われた。
この一件を任されたのが今年でサンタを引退する発注班のマッティだった。
「結婚相手か……。ハハハ!1500年以上サンタをやってきたが、最後に一番難しいプレゼントの依頼が来たものだ」
クリスマスまで3週間ほどある。
「時間はまだあるが……。どうしようか……」
マッティはポケットからななこの手紙を取り出し、微笑みながら再び読み返した。
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