スマホをなくした日に

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「いやぁ、君らしいね。」 「わかってくれるアレン大好き!」  何気ない彼女のその一言がアレンの心に突き刺さる。そのせいか、思わずアレンは彼女に意地悪を言ってしまう。 「それだけ存在を忘れるってことは、君にとって、あのスマホはいらないものなんじゃないかな?」 「そんなこと無いよー!ゲームできるし、家の外で道案内していくれるし、何より画面で彼ピの写真が見れるし。」  アレンは押し殺しきれない自分の気持ちを、思わず彼女に漏らす。 「僕とだってしりとりとかできるでしょ?」 「でも、ガチャはできないじゃない?」 「……そうだね。」  痛烈な彼女の一言にアレンはそう答えるしかなかった。 「ところで……。冷凍庫は見てみたかい?」 「え?冷凍庫?なんで?」  そういいながら、彼女は冷凍庫を開ける。すると……。 「あったー!冷凍した鶏肉の上に一緒になってたー!」  アレンの予測通り彼女はスマホを冷凍庫にしまい込んでいたのだ。 「見つかってよかった。」 「ありがとう、アレン!また助けてね。」  そういうと彼女はすぐに充電を開始し、スマホのことに夢中になるのだった。 「はい。」  アレンは余計な感情を乗せること無く、そう答えた。
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