0人が本棚に入れています
本棚に追加
「いやぁ、君らしいね。」
「わかってくれるアレン大好き!」
何気ない彼女のその一言がアレンの心に突き刺さる。そのせいか、思わずアレンは彼女に意地悪を言ってしまう。
「それだけ存在を忘れるってことは、君にとって、あのスマホはいらないものなんじゃないかな?」
「そんなこと無いよー!ゲームできるし、家の外で道案内していくれるし、何より画面で彼ピの写真が見れるし。」
アレンは押し殺しきれない自分の気持ちを、思わず彼女に漏らす。
「僕とだってしりとりとかできるでしょ?」
「でも、ガチャはできないじゃない?」
「……そうだね。」
痛烈な彼女の一言にアレンはそう答えるしかなかった。
「ところで……。冷凍庫は見てみたかい?」
「え?冷凍庫?なんで?」
そういいながら、彼女は冷凍庫を開ける。すると……。
「あったー!冷凍した鶏肉の上に一緒になってたー!」
アレンの予測通り彼女はスマホを冷凍庫にしまい込んでいたのだ。
「見つかってよかった。」
「ありがとう、アレン!また助けてね。」
そういうと彼女はすぐに充電を開始し、スマホのことに夢中になるのだった。
「はい。」
アレンは余計な感情を乗せること無く、そう答えた。
最初のコメントを投稿しよう!