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初恋は、イマジナリィ・フレンド
「なあ、覚えているか?」
結婚式前夜。アパートの一室で、達也があたしに聞いた。
どこかで犬の鳴く声がする。窓の向こうには真っ白なお月様。半分だった。紫色の空の中、浮かんでいる。
「なーに」
一緒にソファに座っていた。あたしは達也によりかかって返事した。
「つき合いはじめた時、ユカが言ったこと」
頭の中で、駆け巡る記憶。
8歳上の達也。彼とは大学の部活、OBとの交流会で出会った。仲良くなるのに、そんなに時間はかからなかった。達也は本当に積極的で。とうとうつき合うってなった時……。
思い出したら恥ずかしくて、顔が熱くなった。
「ああー、言った言った。初恋の人がイマジナリーフレンド、という変人ともつき合ってくれるんですかって」
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